【翻訳】モダンは死んだ。

2016年1月22日コメント (2)

（今回から翻訳を書くときには自分が知らなかった用語・表現のメモも残していこうと思います。）

元記事
http://www.starcitygames.com/article/32239_Daily-Digest-Modern-Is-Dead.html

手札の全てを一撃に込める「オールイン」Zooはそれなりにモダンで成功したが、まだ調整され切ったデッキとは言えなかった。もし調整されるとしたら、このモダン・リーグで5-0を決めた津村健志のデッキに近づいていくと思う。彼のデッキはコンボで相手を瞬殺することに焦点を置いて効率化されているが、同時に手堅くダメージを与えて勝つ「スモールボール」戦略も十分可能になっている。

ケンジ、またの名をKogamoで知られる彼は《野生のナカティル》のような小粒のクリーチャーを切り落として純粋なグリクシスを選択した。彼のアタッカーは《死の影》《窯の悪鬼》《グルマグのアンコウ》のみだ。大量の軽いキャントリップによって《窯の悪鬼》と《グルマグのアンコウ》が機能し、《変異原性の成長》は《稲妻》から《窯の悪鬼》を守るということで相性が良い。《頑固な否認》もそれぞれのクリーチャーと噛み合っている。このように、このデッキはコンボを守る要素が増えている。１２枚しか勝ち手段が無い以上、その中の１体は生き延びてもらわなければ困る。

《死の影》をうまく使えるように、このデッキのマナベースはフェッチランドとショクランドしかない。この手のデッキと合いそうな基本土地も傷跡ランドも入っていないのだ。出来る限り《死の影》を２ターン目には出せるようにしておきたいが、このデッキならそれが出来る。キャントリップはコンボパーツを探すだけでなく、序盤に土地を出して終盤にマナフラッドを起こさないように調整してくれる。デッキには本物の土地が４枚しか入っていないことからも、ケンジは土地を多く引きたくないのは明らかだ。

サイドボードには動きがより早いと思われるデッキに対抗する手段が盛り込まれている。《思考囲い》は一番強力な干渉だ。好きなカードを奪うだけでなく《死の影》の助けにもなる。《虚空の力線》は最低限の消費でフェアでない墓地利用デッキを抑え、《四肢切断》と《呪文滑り》は（今は亡き）双子コンボに立ち向かう。バーンとの対戦で《呪文滑り》は使えるかもしれないが、単純にスピード勝負を挑んだほうがいいかなと思う。

KogamoのGrixis Battle Rage

クリーチャー１２
４死の影
４グルマグのアンコウ
４窯の悪鬼

土地１７
１血の墓所
１湿った墓
２蒸気孔
４血染めのぬかるみ
１溢れかえる岸辺
４汚染された三角州
４沸騰する小湖

その他の呪文３１
４ミシュラのガラクタ
４稲妻
３変異原性の成長
４頑固な否認
４ティムールの激闘
４ギタクシア派の調査
４血清の幻視
４手練

サイドボード１５
４呪文滑り
３虚空の力線
２四肢切断
１強迫
４思考囲い
１沼

（翻訳はここまで）

◆ボキャブラリー
（MTG編）
All-in
１～２ターンで手札のすべてを戦場に投入するようなコンボ、またはデッキ。
Super Crazy Zooのような強化コンボ系、《類人猿の指導霊》《捨て身の儀式》などのマナ加速で《血染めの月》といったカードを高速展開するAll-In Redが代表的。

Fast Lands
直訳すると「高速ランド」。ミラディンの傷跡に出てくる２色地形のこと。他に戦場に出ている土地が２枚以下ならアンタップインする序盤向けの性能が由来だろう。

（一般編）
streamline
流線型。動詞だと「合理化する」「効率化する」という意味もある。

Small ball
野球用語。一発ホームランに頼らず足や犠打などの小技を使って確実に１点を狙う戦術。

タイトルから《欠片の双子》禁止の批判でもするのかと思いきや、むちゃくちゃ尖った日本製のデッキ紹介に「なんじゃこりゃあああ！？」と見事に釣られました。製作者、というより調整者は公式でおなじみの津村健志さん。
その実態はあのSuper Crazy Zooをグリクシスカラーに絞り、クロックパーミッション寄りに進化した殺意のデッキでした。その殺意たるや、まともにマナを出す土地が４枚しか入っていないという徹底ぶり。色を減らすことで可能になるのでしょう。
マナベースを除けば神話レア級の超高価なカードはほとんど無く、新しいカードや再録の多いカードが中心なので「青系をやりたいけど神童ジェイス高過ぎ！」「黒やりたいけどリリアナ様が高嶺の花すぎて手が出ません！」な方に最適かも？