コロナで気が滅入る今だから見たクレしん 栄光のヤキニクロード
2020年5月23日 映画 コメント (3)
気になってたけど何となく映画観てなかった。
ちょうど休みだったけど、絵を描く気力もなく聖剣も終わって手持無沙汰だったのでAmazon Primeで視聴
それは例えるならまさに見る麻薬
ストーリーは、いきなり野原一家が指名手配の凶悪犯に仕立て上げられて、その原因らしき組織をぶっ潰すために熱海に向かう。それぐらいで、映画全体が88分と短め。
その道中でひたすらギャグにギャグを詰め込んで、要所要所のネタやツッコミのシーンで劇画風になったり、ラスト間際は頭がおかしくなりそうな幻覚と勘違いする狂気を見せつけられたり、敵の幹部同士で急にロマンチックな寸劇が入ったり・・・。
とにかく意味不明だけどバカバカしくて、アニメの強みを活かしたショートコントを休み無しで大量に見るような、おバカ特化の問題作になっている。
有名過ぎる『アッパレ!戦国大合戦』や『オトナ帝国の逆襲』みたいなイメージを求める人は失望するだろう。だけど深く考えずストレスを発散したい人なら世代を問わず笑える名作。
ちょうど休みだったけど、絵を描く気力もなく聖剣も終わって手持無沙汰だったのでAmazon Primeで視聴
それは例えるならまさに見る麻薬
ストーリーは、いきなり野原一家が指名手配の凶悪犯に仕立て上げられて、その原因らしき組織をぶっ潰すために熱海に向かう。それぐらいで、映画全体が88分と短め。
その道中でひたすらギャグにギャグを詰め込んで、要所要所のネタやツッコミのシーンで劇画風になったり、ラスト間際は頭がおかしくなりそうな幻覚と勘違いする狂気を見せつけられたり、敵の幹部同士で急にロマンチックな寸劇が入ったり・・・。
とにかく意味不明だけどバカバカしくて、アニメの強みを活かしたショートコントを休み無しで大量に見るような、おバカ特化の問題作になっている。
有名過ぎる『アッパレ!戦国大合戦』や『オトナ帝国の逆襲』みたいなイメージを求める人は失望するだろう。だけど深く考えずストレスを発散したい人なら世代を問わず笑える名作。
【映画】『21世紀の資本』ーー文系でも分かる、格差はなぜ拡大するのか
2020年3月23日 映画 コメント (6)
世界中に衝撃をもたらしたフランスの経済学者トマ・ピケティの著作がまさかの映画化。元々興味あったけど書籍の膨大さから躊躇していたので観に行きました。
おそらくほとんどの人はそもそも観ることが出来ない(限られたミニシアターでしか上映されないB級映画扱いのため)と思うので限りなくネタバレに近いレビュー。
長い文章になります。面倒な人はスクロールして一番太い所だけ読んでください。
ピケティ本人と彼に賛同する世界中の経済学者たちが集結、懐かしい映画や古めかしいアニメのシーンを軽快に挟みながら自らの言葉で歴史と経済の結びつきを解説するドキュメンタリー映画。(その中には日系人のフランシス・フクヤマも登場。)
そう、この映画の9割は過去の歴史を紐解き、今も繰り返されようとている事を解説するために費やされている。
膨大な統計のグラフや複雑な数字のやり取りは徹底的に削除され、フランス革命から植民地、世界大戦、大恐慌、オイルショック、リーマンショックが起こる裏で経済や資本がどう関わり、格差とお金に対する世の中の考え方がどう変わって行ったかを丁寧に説明。
そして終盤に近付きそろそろ歴史の授業に飽きてきたところで、世界を揺るがした一つの数式をピケティは叩き付けます。
それがr>gの法則。r>gは直訳すると(資本収益率>経済成長率)。これだけじゃ分かり辛いでしょう。俺も分からんので...
説明しよう!!
あなたがどれだけ努力しても、どれだけ経済が成長しても、格差は絶対に拡大する!
なぜなら資本主義である限り、経済が成長する以上におちんぎんは伸びない!
だが金持ちは資産を株や不動産などの投資で転がせば、経済が成長する以上の利益を生み出せるからだ!!
『21世紀の資本』が言いたい事はほぼこの太字に集約される。
この事を原著では長年の研究とデータに基づき実証してみせ、「貧困は努力不足の自己責任」やら「経済を成長させたら税収も入って格差は無くせる」といった、まあこのブログや俺シグマの過去のコンテンツを見て噛みつきたくなる輩が大好きな定説をひっくり返した。
それでも納得いかない人もいるだろう。普通に生活できてる人もいればホームレスや非正規もいるからだ。やっぱり自己責任じゃないか。しかしそれは心理学的なバイアスに過ぎない。
あるゲームの実験が登場する。最初にコイントスを行い勝者を「金持ち」として全てのボーナスが「貧乏人」の2倍与えられる。この状態でゲーム(多分モノポリー)をやる。
当然差が付くが、金持ちのプレイヤーの態度は段々横柄になり、駒を乱暴に叩き付け、相手を見下すようになる。そしてゲームが終わって勝因を聞くと全員が「
自分の実力」と答えた。最初にコイントスで勝って有利な条件でやっただけなのに。
これは被験者が貧乏人でも例外ではない。自分より困窮した人がいると誰もがそれを能力の差だと錯覚するのである。
脱線したが、ピケティによると実はr>gの法則自体は問題じゃない。確かに格差を作る圧力の源ではあるが、本当に問題なのは、富が公正に分配されてない事である。具体的にはオイルショック後に新自由主義が世界を支配してから、労働分配率が下がり続けている。
経済と資本は成長し企業と株主は儲けるが、物価を反映した購買力を表す実質賃金は1970年代からまるで成長していない。それどころか投機による住宅価格の上昇でがホームレスになり、学生ローンや医療の支払いで苦労する人が増えている。日本でも若者はスマホへの支払いと非正規雇用が増える一方で、酒を飲まない車を買わない等トータルの消費額は伸びていない。
このまま放置すればいずれ社会不安で国家や民主主義そのものが危機を迎えることは過去の歴史が証明している。終わりの見えない貧困こそがフランス革命を起こし、ナチスと第二次世界大戦を招き、共産主義に資本主義が論破されかけたのだ。また第一次世界大戦やリーマンショックはより多くの富を得ようとする資本の暴走が引き起こしたと説明されています。それらの結果多くの命が、さらに富や資本が失われる。
だからピケティは私有財産制に制限を付けて、過度の格差は抑制するべきだと主張、そのための政策をいくつか提言しています。
まずGAFA等のタックスヘイヴンを駆使して税逃れをしているグローバル企業に適切に課税する事。それは難しくない。
タックスヘイヴンを提供して企業情報を隠している国に制裁を課すことが出来る。
さらにダミー企業をいくら挟んでも売り上げの出どころから課税額を特定し、例えば収益の10%がフランスからならフランス政府は10%分の法人税を主張できる。企業はタックスヘイヴンに隠れても、お客様は隠せない。
より重要なのが富裕層から相続税を取り、さらに累進的な資産課税を組み合わせること。これによって過剰な不平等を抑えるとともに実体経済への投資を促すのだ。
いわゆる富裕税とまで聞くと社会主義や共産主義を疑う人が出て来ると思うが、ピケティは共産主義ではない。映画の冒頭で共産主義の崩壊を目の当たりにしたことを語り、共産主義が欺瞞であるとはっきり断じている。
むしろ、大恐慌から立ち上がったアメリカや、共産主義を打倒した西側諸国が出来た事をもう一度やるように言っている。ある程度労働者に妥協して破綻を防止し、資本主義をアップデートすれば十分なのだ。
しかし、それを成し遂げるためには資本によって握られ未だ自己責任論に支配された政治的な力を変える必要があり、ピケティもそこは意識しているようだが原因や対策は提示できていない。
フランス革命前の18世紀は1%の貴族が婚姻と相続を通じて何もかも独占し、多くの人は貧困状態であり勉強や努力で変わることは不可能、そして貧困=死であり平均寿命は17歳だった。世界はその時代に向かって逆戻りしている。
それでも良いのか?それとも資本主義を乗り越えて今よりもいくらか平等で、持続可能な資本主義に変えるのか?ピケティは後者を支持すると宣言した。この文章を書いているシグマも同じです。
画像1は公式サイト
https://21shihonn.com/
画像2はここ
https://www.jil.go.jp/foreign/jihou/2012_12/ilo_01.html
画像3はニコニコ静画から引用
https://seiga.nicovideo.jp/seiga/im2536073
おそらくほとんどの人はそもそも観ることが出来ない(限られたミニシアターでしか上映されないB級映画扱いのため)と思うので限りなくネタバレに近いレビュー。
長い文章になります。面倒な人はスクロールして一番太い所だけ読んでください。
ピケティ本人と彼に賛同する世界中の経済学者たちが集結、懐かしい映画や古めかしいアニメのシーンを軽快に挟みながら自らの言葉で歴史と経済の結びつきを解説するドキュメンタリー映画。(その中には日系人のフランシス・フクヤマも登場。)
そう、この映画の9割は過去の歴史を紐解き、今も繰り返されようとている事を解説するために費やされている。
膨大な統計のグラフや複雑な数字のやり取りは徹底的に削除され、フランス革命から植民地、世界大戦、大恐慌、オイルショック、リーマンショックが起こる裏で経済や資本がどう関わり、格差とお金に対する世の中の考え方がどう変わって行ったかを丁寧に説明。
そして終盤に近付きそろそろ歴史の授業に飽きてきたところで、世界を揺るがした一つの数式をピケティは叩き付けます。
それがr>gの法則。r>gは直訳すると(資本収益率>経済成長率)。これだけじゃ分かり辛いでしょう。俺も分からんので...
説明しよう!!
あなたがどれだけ努力しても、どれだけ経済が成長しても、格差は絶対に拡大する!
なぜなら資本主義である限り、経済が成長する以上におちんぎんは伸びない!
だが金持ちは資産を株や不動産などの投資で転がせば、経済が成長する以上の利益を生み出せるからだ!!
『21世紀の資本』が言いたい事はほぼこの太字に集約される。
この事を原著では長年の研究とデータに基づき実証してみせ、「貧困は努力不足の自己責任」やら「経済を成長させたら税収も入って格差は無くせる」といった、まあこのブログや俺シグマの過去のコンテンツを見て噛みつきたくなる輩が大好きな定説をひっくり返した。
それでも納得いかない人もいるだろう。普通に生活できてる人もいればホームレスや非正規もいるからだ。やっぱり自己責任じゃないか。しかしそれは心理学的なバイアスに過ぎない。
あるゲームの実験が登場する。最初にコイントスを行い勝者を「金持ち」として全てのボーナスが「貧乏人」の2倍与えられる。この状態でゲーム(多分モノポリー)をやる。
当然差が付くが、金持ちのプレイヤーの態度は段々横柄になり、駒を乱暴に叩き付け、相手を見下すようになる。そしてゲームが終わって勝因を聞くと全員が「
自分の実力」と答えた。最初にコイントスで勝って有利な条件でやっただけなのに。
これは被験者が貧乏人でも例外ではない。自分より困窮した人がいると誰もがそれを能力の差だと錯覚するのである。
脱線したが、ピケティによると実はr>gの法則自体は問題じゃない。確かに格差を作る圧力の源ではあるが、本当に問題なのは、富が公正に分配されてない事である。具体的にはオイルショック後に新自由主義が世界を支配してから、労働分配率が下がり続けている。
経済と資本は成長し企業と株主は儲けるが、物価を反映した購買力を表す実質賃金は1970年代からまるで成長していない。それどころか投機による住宅価格の上昇でがホームレスになり、学生ローンや医療の支払いで苦労する人が増えている。日本でも若者はスマホへの支払いと非正規雇用が増える一方で、酒を飲まない車を買わない等トータルの消費額は伸びていない。
このまま放置すればいずれ社会不安で国家や民主主義そのものが危機を迎えることは過去の歴史が証明している。終わりの見えない貧困こそがフランス革命を起こし、ナチスと第二次世界大戦を招き、共産主義に資本主義が論破されかけたのだ。また第一次世界大戦やリーマンショックはより多くの富を得ようとする資本の暴走が引き起こしたと説明されています。それらの結果多くの命が、さらに富や資本が失われる。
だからピケティは私有財産制に制限を付けて、過度の格差は抑制するべきだと主張、そのための政策をいくつか提言しています。
まずGAFA等のタックスヘイヴンを駆使して税逃れをしているグローバル企業に適切に課税する事。それは難しくない。
タックスヘイヴンを提供して企業情報を隠している国に制裁を課すことが出来る。
さらにダミー企業をいくら挟んでも売り上げの出どころから課税額を特定し、例えば収益の10%がフランスからならフランス政府は10%分の法人税を主張できる。企業はタックスヘイヴンに隠れても、お客様は隠せない。
より重要なのが富裕層から相続税を取り、さらに累進的な資産課税を組み合わせること。これによって過剰な不平等を抑えるとともに実体経済への投資を促すのだ。
いわゆる富裕税とまで聞くと社会主義や共産主義を疑う人が出て来ると思うが、ピケティは共産主義ではない。映画の冒頭で共産主義の崩壊を目の当たりにしたことを語り、共産主義が欺瞞であるとはっきり断じている。
むしろ、大恐慌から立ち上がったアメリカや、共産主義を打倒した西側諸国が出来た事をもう一度やるように言っている。ある程度労働者に妥協して破綻を防止し、資本主義をアップデートすれば十分なのだ。
しかし、それを成し遂げるためには資本によって握られ未だ自己責任論に支配された政治的な力を変える必要があり、ピケティもそこは意識しているようだが原因や対策は提示できていない。
フランス革命前の18世紀は1%の貴族が婚姻と相続を通じて何もかも独占し、多くの人は貧困状態であり勉強や努力で変わることは不可能、そして貧困=死であり平均寿命は17歳だった。世界はその時代に向かって逆戻りしている。
それでも良いのか?それとも資本主義を乗り越えて今よりもいくらか平等で、持続可能な資本主義に変えるのか?ピケティは後者を支持すると宣言した。この文章を書いているシグマも同じです。
画像1は公式サイト
https://21shihonn.com/
画像2はここ
https://www.jil.go.jp/foreign/jihou/2012_12/ilo_01.html
画像3はニコニコ静画から引用
https://seiga.nicovideo.jp/seiga/im2536073
【映画】『マネー・ショート 華麗なる大逆転』を観た。
2016年3月9日 映画 コメント (2)
◆地球がヤバい!
突然ですが、画像を見て下さい。
これはワンパンマンである優秀な予言者が「地球がヤバい」と予言をする。
まあギャグ的なシーンなのですけど、この映画を見た後の感触がこれです。
◆背景知識を勉強してから観るべし
もう10年近く前。サブプライムローンが原因の金融破綻で「全米がヤバい」ことになったことを覚えているでしょうか。その時はアメリカで山のように失業者があふれ、投資家は大損して財政出動も余儀なくされたアビ・インフェルノ(阿鼻叫喚の地獄絵図)そのものでした。
いわゆるリーマン・ショックです。
しかしその中でごく限られた投資家が、リーマンショックを見抜いて大儲けしていたのです。その4人の主人公が、住宅ローンに隠された欺瞞と異変を察知し、それぞれの立場から「これって本当なのか・・・?」と情報を集めていきます。そして誰も破綻など考えもしない中で行動を起こして、最後は巨大すぎる富を掴みます。
彼らがどうやって儲けるのか、住宅市場と金融市場に何が起こったのか。ドキュメンタリー要素の強い映画でもあり細かい経済用語や流れは正直言って難しいです。突然美女がお風呂の中で解説したり、料理やギャンブルに例えて解説するコメディ風味のシーンもあるのですが、それでも素人には難解で、知識ほとんどゼロの自分ではかなり損をしました。ある程度予習をしてから見たほうが100倍面白いのでお勧めします。下記リンク先が一番分かりやすいです。
http://eiga.com/official/moneyshort/
◆(ネタバレあり)ブラピが伝えたかった事は
自分では知ったかぶりすら困難なくらい難しいので専門的なところは置いておきます。それよりも感情的な部分でこの映画の本題に迫っていきましょう。
この映画の広告や記事などのメディア宣伝の段階、そして映画が始まってから前半ぐらいまでは、4人の問題児投資家がクールに大儲けするサクセス・ストーリーのように描かれています。しかし、徐々に雰囲気が変わっていき、自分たちが儲かるという確信と同時に世界経済が大混乱に陥るという事、その兆候が一般市民の生活の中で既に表れている事を知っていきます。
作中でついに勝負に出て勝利の確信に浮かれる仲間にブラッド・ピット演じる元銀行家は「何千万人の人々が仕事を失い、家を失うんだぞ!」と激高します。
それは人々の生活が壊れていく恐怖、持たざる層にリスクを押し付けて儲ける金融業界への怒り、また自分たちもそれを利用して金を儲けていることによる罪悪感、それらが入り混じった複雑な感情が映画を見ているうちに、専門知識がまるで無い自分にも伝わってきます。
ここで冒頭の画像に戻ります。
もし自分が実績ある予言者で、数年後に世界が滅びると予言をしてしまったら。目の前で何もかもが崩れていく光景を見てしまったら。誰も信じてくれないけどそれを知ってしまったら。
映画を見ている間感じていたのは、成功に近づいていくワクワク感ではなく、目の前に破滅が迫ってくる恐怖でした。そして勝利を収めた主人公たちも、最後は疲れ果てた顔で退場していきます。
単純なキャラの濃いイケメンたちのサクセスストーリーと思って甘く見ているといろいろ叩きつけられるので、少し捻くれた作品が好きな方にお勧めです。
BGM:Feel Good Inc./Gorillaz
https://www.youtube.com/watch?v=EseL_19Cqbc
まさか、前にDDRに収録されていたこの懐かしい曲が劇中で流れるとは思わなかった・・・。
突然ですが、画像を見て下さい。
これはワンパンマンである優秀な予言者が「地球がヤバい」と予言をする。
まあギャグ的なシーンなのですけど、この映画を見た後の感触がこれです。
◆背景知識を勉強してから観るべし
もう10年近く前。サブプライムローンが原因の金融破綻で「全米がヤバい」ことになったことを覚えているでしょうか。その時はアメリカで山のように失業者があふれ、投資家は大損して財政出動も余儀なくされたアビ・インフェルノ(阿鼻叫喚の地獄絵図)そのものでした。
いわゆるリーマン・ショックです。
しかしその中でごく限られた投資家が、リーマンショックを見抜いて大儲けしていたのです。その4人の主人公が、住宅ローンに隠された欺瞞と異変を察知し、それぞれの立場から「これって本当なのか・・・?」と情報を集めていきます。そして誰も破綻など考えもしない中で行動を起こして、最後は巨大すぎる富を掴みます。
彼らがどうやって儲けるのか、住宅市場と金融市場に何が起こったのか。ドキュメンタリー要素の強い映画でもあり細かい経済用語や流れは正直言って難しいです。突然美女がお風呂の中で解説したり、料理やギャンブルに例えて解説するコメディ風味のシーンもあるのですが、それでも素人には難解で、知識ほとんどゼロの自分ではかなり損をしました。ある程度予習をしてから見たほうが100倍面白いのでお勧めします。下記リンク先が一番分かりやすいです。
http://eiga.com/official/moneyshort/
◆(ネタバレあり)ブラピが伝えたかった事は
自分では知ったかぶりすら困難なくらい難しいので専門的なところは置いておきます。それよりも感情的な部分でこの映画の本題に迫っていきましょう。
この映画の広告や記事などのメディア宣伝の段階、そして映画が始まってから前半ぐらいまでは、4人の問題児投資家がクールに大儲けするサクセス・ストーリーのように描かれています。しかし、徐々に雰囲気が変わっていき、自分たちが儲かるという確信と同時に世界経済が大混乱に陥るという事、その兆候が一般市民の生活の中で既に表れている事を知っていきます。
作中でついに勝負に出て勝利の確信に浮かれる仲間にブラッド・ピット演じる元銀行家は「何千万人の人々が仕事を失い、家を失うんだぞ!」と激高します。
それは人々の生活が壊れていく恐怖、持たざる層にリスクを押し付けて儲ける金融業界への怒り、また自分たちもそれを利用して金を儲けていることによる罪悪感、それらが入り混じった複雑な感情が映画を見ているうちに、専門知識がまるで無い自分にも伝わってきます。
ここで冒頭の画像に戻ります。
もし自分が実績ある予言者で、数年後に世界が滅びると予言をしてしまったら。目の前で何もかもが崩れていく光景を見てしまったら。誰も信じてくれないけどそれを知ってしまったら。
映画を見ている間感じていたのは、成功に近づいていくワクワク感ではなく、目の前に破滅が迫ってくる恐怖でした。そして勝利を収めた主人公たちも、最後は疲れ果てた顔で退場していきます。
単純なキャラの濃いイケメンたちのサクセスストーリーと思って甘く見ているといろいろ叩きつけられるので、少し捻くれた作品が好きな方にお勧めです。
BGM:Feel Good Inc./Gorillaz
https://www.youtube.com/watch?v=EseL_19Cqbc
まさか、前にDDRに収録されていたこの懐かしい曲が劇中で流れるとは思わなかった・・・。
【映画】元祖『ゴジラ』を観た。
2016年3月3日 映画とあるオンデマンド系のサイトで、前からいつか見ようと思っていた初代『ゴジラ』をようやく見ました。
自分が子供のころにやっていたのはゴジラvs○○という一連のタイトルで知られる平成版です。このころのゴジラはどちらかと言えば未知の何かしらから地球を守るような扱われ方をしていた傾向があります。その辺は、数年前に公開されたハリウッド版ゴジラ(足が速くて魚を食べる方ではない)にも通じる部分があります。
しかし、オリジナルはそんなエンターテインメントで終わらせるような作品じゃない。もともとのコンセプトが水爆実験を題材にしている。それを忘れてはいけない。
なによりテーマがテーマだけに重いです。断片的な情報から始まり、ゴジラの正体、その脅威が徐々に明らかになり、ついに東京本土を蹂躙して火の海に変えていく光景は、当時の感覚で見てたら相当怖かったと思います。焼け野原になった東京、ゴジラによって住む場所を奪われた難民同然の人々、家族を奪われた青年の「ちくしょう・・・ちくしょう・・・」という静かな声、それでも新兵器の使用を最後までためらう科学者・芹沢のセリフ。
何もかもが生々しいです。間違いなく後世に伝えるべき映画であることに疑いはないのですが、見るからには一定の覚悟をもって見たほうが良いでしょう。
自分が子供のころにやっていたのはゴジラvs○○という一連のタイトルで知られる平成版です。このころのゴジラはどちらかと言えば未知の何かしらから地球を守るような扱われ方をしていた傾向があります。その辺は、数年前に公開されたハリウッド版ゴジラ(足が速くて魚を食べる方ではない)にも通じる部分があります。
しかし、オリジナルはそんなエンターテインメントで終わらせるような作品じゃない。もともとのコンセプトが水爆実験を題材にしている。それを忘れてはいけない。
なによりテーマがテーマだけに重いです。断片的な情報から始まり、ゴジラの正体、その脅威が徐々に明らかになり、ついに東京本土を蹂躙して火の海に変えていく光景は、当時の感覚で見てたら相当怖かったと思います。焼け野原になった東京、ゴジラによって住む場所を奪われた難民同然の人々、家族を奪われた青年の「ちくしょう・・・ちくしょう・・・」という静かな声、それでも新兵器の使用を最後までためらう科学者・芹沢のセリフ。
何もかもが生々しいです。間違いなく後世に伝えるべき映画であることに疑いはないのですが、見るからには一定の覚悟をもって見たほうが良いでしょう。
スターウォーズ「フォースの覚醒」感想
2016年1月3日 映画 コメント (2)ちょっと前の去年の話ですが、やっぱり話題なので自分も見てきました。
巷のニュースや日記を見ていると、かなり賛否両論っぽい。
良かったという人もいれば駄作だという人もいる。
おおざっぱな流れを解説すると、新たに「ファースト・オーダー(First Order)」という帝国もどきが出現。
そして再びデススターもどきを開発。
カイロ・レンというダース・ベイダーそっくりの人物や、その師匠兼ファースト・オーダーのボスも暗躍。
一方前作までの主人公であるルーク・スカイウォーカーは、エピソード6の後ジェダイを建て直そうとして失敗。
失意のうちに姿を消しているらしい。
そのルークの居場所を示す地図を巡り、ファースト・オーダーとレジスタンスの戦いが物語の軸だ。
全体的にエピソード4を意識した雰囲気でありながら似て非なる雰囲気を味わおう。
個人的な印象としては、これまでよりも群像劇的な雰囲気がちょっと感じられた。
例えば、フィンという人物。
彼は幼い時にファースト・オーダーに誘拐されてから兵士として育てられる。
しかし任務の中で生まれ故郷を襲撃しなければならなくなり、兵士としての自身に耐え切れず離反。
レジスタンス側の捕虜を助けて脱走する。
そのままこのエピソードにおいて、徐々に狂言回し的な存在になっていく。
「ルーク」や「アナキン」の物語という側面が強かったエピソード1~6。
しかし現実は一人ひとりの人物に過去と人生、物語があり、色々な人の行動が絡み合って「結果」が生まれる。
そんな視点でセリフなどの一つ一つをよく飲み込みながら観てあげたいと思う。
◆以下ネタバレ◆
・・・とは言え、あまりにエピソード4をトレースし過ぎじゃないかとは正直思う。
とにかく似たような場面が多すぎ。
主人公が砂漠の中から機密を抱えたドロイドを拾ったり。
デススターが出てきたり、ぶっぱなしたり、最後はなんか弱点を撃たれたり。
オビ=ワンよろしく先代の人物が一人死んだり。
なんか色々。
過去の作品を知ってると似たような作りに見えるし、単体で完結しないから過去作知らないと妙にわかり辛い。
ぶっちゃけ第一印象が、「キン肉マン2世」や「リングにかけろ2」をアメリカ人がやるとこうなるんだ、という感じ。
「この後こうなるんだろうなあ」となんとなく思ったのがほぼ当たって話の流れが予測出来過ぎでした。
まあ今回はあくまで導入なので、今後どういう物語を見せつけてくれるのか、エピソード8以降に期待ですね。
巷のニュースや日記を見ていると、かなり賛否両論っぽい。
良かったという人もいれば駄作だという人もいる。
おおざっぱな流れを解説すると、新たに「ファースト・オーダー(First Order)」という帝国もどきが出現。
そして再びデススターもどきを開発。
カイロ・レンというダース・ベイダーそっくりの人物や、その師匠兼ファースト・オーダーのボスも暗躍。
一方前作までの主人公であるルーク・スカイウォーカーは、エピソード6の後ジェダイを建て直そうとして失敗。
失意のうちに姿を消しているらしい。
そのルークの居場所を示す地図を巡り、ファースト・オーダーとレジスタンスの戦いが物語の軸だ。
全体的にエピソード4を意識した雰囲気でありながら似て非なる雰囲気を味わおう。
個人的な印象としては、これまでよりも群像劇的な雰囲気がちょっと感じられた。
例えば、フィンという人物。
彼は幼い時にファースト・オーダーに誘拐されてから兵士として育てられる。
しかし任務の中で生まれ故郷を襲撃しなければならなくなり、兵士としての自身に耐え切れず離反。
レジスタンス側の捕虜を助けて脱走する。
そのままこのエピソードにおいて、徐々に狂言回し的な存在になっていく。
「ルーク」や「アナキン」の物語という側面が強かったエピソード1~6。
しかし現実は一人ひとりの人物に過去と人生、物語があり、色々な人の行動が絡み合って「結果」が生まれる。
そんな視点でセリフなどの一つ一つをよく飲み込みながら観てあげたいと思う。
◆以下ネタバレ◆
・・・とは言え、あまりにエピソード4をトレースし過ぎじゃないかとは正直思う。
とにかく似たような場面が多すぎ。
主人公が砂漠の中から機密を抱えたドロイドを拾ったり。
デススターが出てきたり、ぶっぱなしたり、最後はなんか弱点を撃たれたり。
オビ=ワンよろしく先代の人物が一人死んだり。
なんか色々。
過去の作品を知ってると似たような作りに見えるし、単体で完結しないから過去作知らないと妙にわかり辛い。
ぶっちゃけ第一印象が、「キン肉マン2世」や「リングにかけろ2」をアメリカ人がやるとこうなるんだ、という感じ。
「この後こうなるんだろうなあ」となんとなく思ったのがほぼ当たって話の流れが予測出来過ぎでした。
まあ今回はあくまで導入なので、今後どういう物語を見せつけてくれるのか、エピソード8以降に期待ですね。
ちょっとGODZILLA観て来た
2014年8月4日 映画一応下のほうに本文移動させときますね
どうなるかどうなるかと思ったらごく普通のゴジラvsシリーズの頃のゴジラまんまで拍子抜けだった。
自分と同じくらいの世代の人は、パニック映画としてもゴジラ映画としてもちょうど正直見飽きている展開だと思う。
こうなったらいっそのこと元祖ゴジラのリマスター版ってのをいつか観てみたいですね。
あと、トランセンデンスも面白そう。まだやってるかわからんけど。
どうなるかどうなるかと思ったらごく普通のゴジラvsシリーズの頃のゴジラまんまで拍子抜けだった。
自分と同じくらいの世代の人は、パニック映画としてもゴジラ映画としてもちょうど正直見飽きている展開だと思う。
こうなったらいっそのこと元祖ゴジラのリマスター版ってのをいつか観てみたいですね。
あと、トランセンデンスも面白そう。まだやってるかわからんけど。