【映画】『マネー・ショート 華麗なる大逆転』を観た。
【映画】『マネー・ショート 華麗なる大逆転』を観た。
◆地球がヤバい!

突然ですが、画像を見て下さい。
これはワンパンマンである優秀な予言者が「地球がヤバい」と予言をする。
まあギャグ的なシーンなのですけど、この映画を見た後の感触がこれです。


◆背景知識を勉強してから観るべし

もう10年近く前。サブプライムローンが原因の金融破綻で「全米がヤバい」ことになったことを覚えているでしょうか。その時はアメリカで山のように失業者があふれ、投資家は大損して財政出動も余儀なくされたアビ・インフェルノ(阿鼻叫喚の地獄絵図)そのものでした。
いわゆるリーマン・ショックです。

しかしその中でごく限られた投資家が、リーマンショックを見抜いて大儲けしていたのです。その4人の主人公が、住宅ローンに隠された欺瞞と異変を察知し、それぞれの立場から「これって本当なのか・・・?」と情報を集めていきます。そして誰も破綻など考えもしない中で行動を起こして、最後は巨大すぎる富を掴みます。

彼らがどうやって儲けるのか、住宅市場と金融市場に何が起こったのか。ドキュメンタリー要素の強い映画でもあり細かい経済用語や流れは正直言って難しいです。突然美女がお風呂の中で解説したり、料理やギャンブルに例えて解説するコメディ風味のシーンもあるのですが、それでも素人には難解で、知識ほとんどゼロの自分ではかなり損をしました。ある程度予習をしてから見たほうが100倍面白いのでお勧めします。下記リンク先が一番分かりやすいです。
http://eiga.com/official/moneyshort/


◆(ネタバレあり)ブラピが伝えたかった事は

自分では知ったかぶりすら困難なくらい難しいので専門的なところは置いておきます。それよりも感情的な部分でこの映画の本題に迫っていきましょう。

この映画の広告や記事などのメディア宣伝の段階、そして映画が始まってから前半ぐらいまでは、4人の問題児投資家がクールに大儲けするサクセス・ストーリーのように描かれています。しかし、徐々に雰囲気が変わっていき、自分たちが儲かるという確信と同時に世界経済が大混乱に陥るという事、その兆候が一般市民の生活の中で既に表れている事を知っていきます。

作中でついに勝負に出て勝利の確信に浮かれる仲間にブラッド・ピット演じる元銀行家は「何千万人の人々が仕事を失い、家を失うんだぞ!」と激高します。
それは人々の生活が壊れていく恐怖、持たざる層にリスクを押し付けて儲ける金融業界への怒り、また自分たちもそれを利用して金を儲けていることによる罪悪感、それらが入り混じった複雑な感情が映画を見ているうちに、専門知識がまるで無い自分にも伝わってきます。

ここで冒頭の画像に戻ります。
もし自分が実績ある予言者で、数年後に世界が滅びると予言をしてしまったら。目の前で何もかもが崩れていく光景を見てしまったら。誰も信じてくれないけどそれを知ってしまったら。
映画を見ている間感じていたのは、成功に近づいていくワクワク感ではなく、目の前に破滅が迫ってくる恐怖でした。そして勝利を収めた主人公たちも、最後は疲れ果てた顔で退場していきます。

単純なキャラの濃いイケメンたちのサクセスストーリーと思って甘く見ているといろいろ叩きつけられるので、少し捻くれた作品が好きな方にお勧めです。


BGM:Feel Good Inc./Gorillaz
https://www.youtube.com/watch?v=EseL_19Cqbc
まさか、前にDDRに収録されていたこの懐かしい曲が劇中で流れるとは思わなかった・・・。

コメント

disk
2016年3月9日19:07

おぉ、面白そうな映画。今度見てみよう。

シグマ@dj-SIGMA
2016年3月11日0:39

>diskさん
コメントありがとうございます。
マジで素人が見るとちんぷんかんぷんなので、予習して当時を思い出してから観ることを重ね重ねお勧めします。

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