【書評】リア充と非リア充の相互理解とは?
2020年4月29日 読書 コメント (2)世の中にはリア充と非リア充、2種類の人間がいる。
友達と語り合いながら絵にかいたようなキラキラと輝く学園生活を謳歌する者もいれば、他の人に馴染めなくて一人で過ごしている人がいる。
彼らを分け隔てるスクールカーストは長年にわたって差別やいじめを産み出し、悲惨な事件の原因となってきた。さらに多くのライトノベルや漫画ではリア充と非リア充は敵対するものとして扱われていた。スクールカースト上位の女の子がオタクな男とくっついていく話は現代のシンデレラといって良いだろう。
しかし近年のライトノベルではリア充がオタクと仲良くなっていく話に留まらず、さらにはリア充と呼ばれている人たちも必死で周りに合わせている様子が描かれ、無理してリア充にならなくても良いとされる傾向になったという。
そんな現状がアニメのメジャー化で拡散され、スクールカースト間の相互理解が進んで対立が無くなり、逆にぼっちとか言われている人が周りを気にせず自分の趣味に没頭できる強い人間として認識されはじめた世界とは・・・?
『リア充爆発しろ』がオワコンになった時代のラブコメとはどうなるのか・・・?
筆者シグマが個人的にファンで最近アニメ化が決定された『現実主義勇者の王国再建記』原作者どぜう丸先生が、そんな問いとある意味答えを投げかけた。
ぼっちとリア充の相互理解が進んだ世界での学園ラブコメ(仮)
https://www.pixiv.net/novel/series/1272163
作者は、こういう小説が出ると思ったのに出て来ないから自分が書いてみた、としているが、結果としてぼっちの主人公はある意味下手なヒーローよりも異質な超人めいたもののように感じる。
現実にはぼっちになりたくても勝手に虐められることもあるし、後半に出て来るヒロインのように人とうまく接することが出来なくても孤独に耐えられない人が大半だから、都合よく小説のようにいかないのだろう。学園ラブコメというよりちょっとしたファンタジーだ。
そして相互理解が出来たところで導き出される結論は・・・後は本編と作者あとがきまで読もう。十話も無いから大して時間はかからない。
BGM:全部僕が悪い~A Friend~/九十九音夢・DJ TECHNORCH
https://www.youtube.com/watch?v=HJnP42ZKzZg
友達と語り合いながら絵にかいたようなキラキラと輝く学園生活を謳歌する者もいれば、他の人に馴染めなくて一人で過ごしている人がいる。
彼らを分け隔てるスクールカーストは長年にわたって差別やいじめを産み出し、悲惨な事件の原因となってきた。さらに多くのライトノベルや漫画ではリア充と非リア充は敵対するものとして扱われていた。スクールカースト上位の女の子がオタクな男とくっついていく話は現代のシンデレラといって良いだろう。
しかし近年のライトノベルではリア充がオタクと仲良くなっていく話に留まらず、さらにはリア充と呼ばれている人たちも必死で周りに合わせている様子が描かれ、無理してリア充にならなくても良いとされる傾向になったという。
そんな現状がアニメのメジャー化で拡散され、スクールカースト間の相互理解が進んで対立が無くなり、逆にぼっちとか言われている人が周りを気にせず自分の趣味に没頭できる強い人間として認識されはじめた世界とは・・・?
『リア充爆発しろ』がオワコンになった時代のラブコメとはどうなるのか・・・?
筆者シグマが個人的にファンで最近アニメ化が決定された『現実主義勇者の王国再建記』原作者どぜう丸先生が、そんな問いとある意味答えを投げかけた。
ぼっちとリア充の相互理解が進んだ世界での学園ラブコメ(仮)
https://www.pixiv.net/novel/series/1272163
作者は、こういう小説が出ると思ったのに出て来ないから自分が書いてみた、としているが、結果としてぼっちの主人公はある意味下手なヒーローよりも異質な超人めいたもののように感じる。
現実にはぼっちになりたくても勝手に虐められることもあるし、後半に出て来るヒロインのように人とうまく接することが出来なくても孤独に耐えられない人が大半だから、都合よく小説のようにいかないのだろう。学園ラブコメというよりちょっとしたファンタジーだ。
そして相互理解が出来たところで導き出される結論は・・・後は本編と作者あとがきまで読もう。十話も無いから大して時間はかからない。
BGM:全部僕が悪い~A Friend~/九十九音夢・DJ TECHNORCH
https://www.youtube.com/watch?v=HJnP42ZKzZg
コメント
>あくまでもリア充と非リア充が存在しながら対立しない物語です。
>しかし、そういった作品は見受けられないように思います。
には異論がありますね。スクールカースト・ラブコメそのものではないにせよ、階層差と対立は相即不離「ではない」小説は半世紀前にあります。オルダス・ハクスリーのBrave New WorldとIslandが。
作風は両極端ではありつつも、この社会を成り立たせる要件は
①個体特性による選別②全ライフステージ的な教化③集団生活による洗脳④性の娯楽化⑤平穏のための自己投薬
と共通しています。
21世紀を見事に予言するディティールの数々、平穏か人間性かの二択に対して突き付ける名言”I’m claiming the right to be unhappy.”、とパンクでありつつ深い文学なのでこれを機にご一読を。
いちおうBrave New Worldの方は読んだことあります。階層の違いに疑問を挟まないように完全に洗脳しているのは果たして対立していないと言えるのか・・・
悩み、時には失敗して傷付きながらも、人間であれば自分の意志で生きていくべきであるというテーマは様々な作品で見られそうですね。